自分の仕事に合ったタグ語彙のつくり方
VideoTagger にクリップのフォルダを放り込むと、AI が重い処理を引き受けてくれます。人物・物体・シーン・行動を認識し、すべてのモーメントを自動でタグ付けします。多くのユーザーが「ここまで終わっているのか」と驚かれます。
しかし AI はあなたのプロジェクトのことまでは知りません。「あの屋上のショット」が何度も使い回されている定番カットだということも、「いい B ロール」があなたのスタイルでは何を意味するのかも、知りません。その層 — あなた自身の語彙 — が、タグ付きライブラリを「使えるライブラリ」に変えます。
この記事は、その語彙を考えすぎずに育てる方法についてです。
「いま自分がどう検索しているか」から始める
もっとも多い失敗は、最初にタグ分類を設計してしまうことです。机に向かい、樹形図を書き、将来必要になりそうなものをすべて予測しようとする。これはほぼ確実に失敗します。使われないカテゴリで膨れ上がり、実際の検索が起きる場所がスカスカになります。
逆をやってみてください。
- 1 週間、AI のタグだけでライブラリを使ってみる
- 「このタグがあったらな」と思った瞬間をすべてメモする。実際に口に出した言葉をそのまま書く
- 1 週間後、そのメモにあった言葉をカスタムタグとして追加する。それがあなたの実際の語彙です
このやり方で出てくる語彙は短く、具体的で、あなたが素材をどう捉えているかにしか合わないものになります。それでよいのです。
うまく機能しがちな 3 つの層
ワークフロー事例を見ていると、有用なタグ語彙はだいたい 3 つの層に整理できます。最初から 3 つすべてを揃える必要はありません。必要に応じて足していけば十分です。
第 1 層 — コンテンツ(何が写っているか)
AI がすでに無料でやってくれる層です。人物・物体・場所・動作。ここに手動で追加することはあまりありません。あるとすれば、AI が一般名で扱った特定の人物に名前を付けたり、カメラ越しに似て見える 2 つの場所を区別したい場合などです。
第 2 層 — 品質・意図(このショットをどう使うか)
AI には埋められない層であり、カスタムタグの価値がもっとも高い層です。例えば:
hero— シーケンスの軸にできるショットb-roll— 使える挿入素材cutaway-safe— 文脈なしでカットアウェイに差し込めるショットaudio-clean— 音声としても使えるテイク(絵だけではなく)reject— 不採用テイク。使わない
これは主観的な分類です。それが狙いです — あなたにしか分からない判断であり、検索を本当に強力にするのはまさにこの層です。
第 3 層 — プロジェクト・納品物(このショットがどこへ向かうか)
もっとも消費期限の短い層です。例:
proj-acme-launchq3-newsletterclient-review-2026-05
寿命は短いですが、確実に時間を節約してくれます。プロジェクトを納品したら、履歴として残すか、削除するか — お好みで。
半年後に効いてくる小さなルール
数か月後にじわじわ効いてくる、地味だが重要な習慣をいくつか。
- 小文字+ハイフン区切り。
Hero Shotではなくhero-shot。スタイルが混ざったタグは、数百件溜まったあとでは整理が困難になります。 - 1 タグ 1 概念。
outdoor-interviewではなく、interviewとoutdoorを別タグに。組み合わせのほうが柔軟です。 - プロジェクトタグには接頭辞。
proj-やclient-をつけておくと、視覚的にまとまり、引退させやすくなります。 - 同義語をつくらない。
hero/pick/selectsのどれかひとつに決めて、ぶれずに使う。AI のタグは増えるのが仕事ですが、自分のタグはそうではありません。 - 四半期に 1 回だけ整理する。3 か月ごとに 5 分、終わったプロジェクトタグを掃除する。これだけで表面はずっと整います。
「完成」した語彙とはどのくらいの規模か
成熟したタグ語彙は、想像より小さいものです。AI のコンテンツタグに加えて、カスタムタグはだいたい 20〜50 個程度。最初の 1 か月を過ぎても毎週新しいタグを足し続けているなら、おそらく細かく作りすぎです。逆に、検索結果に関係のないクリップがまだ並ぶなら、まだ粗すぎます。
目指したい状態のサインはこうです — 「以前は数分かかった検索が数秒で済むようになり、上位 3 件にほぼ目的のショットが入っている」。
ここに到達したとき、ライブラリは「タグ付きファイルの山」から「実用ツール」に変わっています。
